連続講座「見る・判断・実行」―私たちの生活を「見て」みよう!①

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、さまざまなイベントが中止になっている昨今ですが、JOC(ジョック)働く人のグループは通常5~10人程度の小規模の集まりということで、いつも通りの定例会を継続しています。

※新型コロナウイルス感染予防のため次回の講座を延期することとなりました。日程は決まり次第お知らせします

東京JOCでは3月から新たな試みとして、JOCの基本である「見る・判断・実行」のプロセスをもっとよく学ぶための連続講座が始まりました。

第一弾として、まずは「見る」をテーマとした全3回の講座です。私も取材班として参加させてもらい、若者たちの生の声を聴いてきました。

第一回目は、まずアンケートの記入から始まりました。
集まった青年たちは、「睡眠時間」や「一日の食事回数」、「スマホを使う時間」などの生活に関することから、「出勤時間」や「残業時間」「夜勤の有無」などの仕事に関する質問、「友達に自分から声をかけて会うことがあるか」「一緒に働いている人と話すか」などの人間関係についての質問等、全17問のアンケート用紙に答えていき、発表して分かち合いました。

不安定な生活と消費への依存

各自の発表した内容を聞いて、共通している現状や、気になった点を話し合っていくうちに見えてきたのは…

  • 夜勤や変則的な勤務がある人が多い
  • 朝ごはんが食べられない人が多い
  • スマホ依存の傾向

正社員だったり、一見安定した仕事のように見えても、思った以上に不規則な時間や休日対応をしなければならない状況が多く、生活リズムが安定しない人も多いようです。
スマホは、なにかと生活や仕事に必要という面もありつつ、
「疲れている時は、頭を使わなくてもぼーっと眺めていられるスマホを見ているのが一番ラクで、つい見てしまう…」
という声には、多くの参加者が同意。

不安定なリズムの生活の中で、簡単に逃避できる機能としてのスマホ。最新の機器を買うことで、働き方や生活の不安定さを解消できるかのように錯覚させる、社会の流れがあるのではないか…と感じさせます。

現場のジレンマの本当の責任者は?

さらに、

  • 自分が残業を断ると他の人が代わりに仕事をすることになってしまう
  • 休暇制度など、就業規則にわかりにくいところが多い

といった問題に関しては、「その状況に本当に責任を取るべき人は誰なんだろう?」「会社のシステムを決めている人は誰だろう?」という疑問にもつながっていきました。

現場で働く人たちが悩むジレンマは、本当は決定権を持つトップが決めた枠の中で起こっているジレンマかもしれない…という視点を持つことで、社会が構造的に見えてくるかもしれません。

互いに助け合う人間関係の作り方は?

また、人間関係については、それぞれ悩みや相談を聞いてくれる人はいるものの、「自分も相手の悩みを聞けるような関係になるにはどうしたらいいんだろう?」「人と関係性を作るために何をしたらいいんだろう?」という疑問も呈されました。

次回までの課題

こうしたミーティングを経て、課題が決まりました。
それぞれに、次回の講座までに以下のことをよく「見て」くるという課題です。

  • 自分たちの職場の詳しい状況
    休暇や保障制度について、自分が職場でどの立場にいるのか、仕事の一日の流れ、給料の使い方など…
  • 【不安定な生活】や【依存傾向】などに関連する社会の出来事や自分の体験
  • 【会社のシステムと現場へのしわ寄せ】、その【本来の責任者】などに関する社会の出来事や自分の体験
  • 【人との関係性を作った時】の自分の体験

自分たちの現状から出発しながらも、それに関連する社会の出来事や背景を見ていくと、実感を伴った社会分析ができます。

次回3月28日の講座では、参加者それぞれが「見て」きたことがらを元に、さらに深く分かち合っていきます。

※新型コロナウイルス感染予防のため次回の講座を延期することとなりました。日程は決まり次第お知らせします

15~35歳の若者なら誰でも参加可能です。参加希望の方は以下にご連絡ください!

東京働く人の家
メール : t-joc1965@mepjapon.org
電話 : 03-3641- 6712

文/きっかけ書房 宇井彩野

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