出版したい!⑥ーひとり出版社の作り方・参考書籍リスト

ひとり出版社を始めるうえで、とにかく私に足りないのは知識でした。というわけで今回は、まずとにかく本を読んだ、という話です。

個人事業でも出版をやれないかな、と考えて、とりあえず検索してみた時に、「ひとり出版社」という形態が増えてきているという情報は得られました。
また、2018年4月からの法改正でISBN(本を一般書店で売るためのコード)が1個からでも取得できることになったこともわかりました。取得料金も1個8000円+税と、出版費用としてはけして大きな負担ではない金額。

よしやってみよう!と思ったところで、実際に出版を実現するためには、何から始めればいいのか。私はまず、さまざまな本を買い集め始めました。
次がその、集めた本リストです。

  • 『”ひとり出版社”という働き方』西山雅子編・河出書房新社
  • 『あしたから出版社』島田潤一郎著・晶文社
  • 『編集者・ライターのための必修基礎知識』編集の学校/文章の学校監修・雷鳥社
  • 『原稿編集ルールブック』日本エディタースクール
  • 『まっ直ぐに本を売る ラディカルな出版「直取引」の方法』石橋毅史著・苦楽堂
  • 『出版営業ハンドブック〈基礎編〉』岡部一郎著・出版メディアパル
  • 『出版営業百ものがたり』斎藤一郎著・遊友出版

そしてもう一冊、友人のお父様が「出版をやりたい」と言っている私の話を聞きつけて貸してくれた

  • 『返品のない月曜日 ボクの取次日記』井狩春男著・筑摩書房

これらが今のところの、私の参考書籍です。

『”ひとり出版社”という働き方』『あしたから出版社』はそのものずばり、一人で小さな出版社を立ち上げて経営している人(たち)の体験談が読める本。
インタビューやエッセイという形なので、具体的に方法をレクチャーしてくれるものではないけれど、参考になるところはたくさんありました。

最初のうちは、読んでいて、ひとり出版社をやっている人たちと私の違いにちょっとビビりました(笑)。
自分で出版社を始めようとする人は、書籍出版の仕事の経験がある人や、ものすごく本が好きで読書が好きな人がやっぱり多いです。

私も本はわりに好きな方ではありますが、ピース又吉さんみたいな文学に精通した読書家ではぜんぜんありません。
ただ、「出版したい文書がある」という情熱だけで始めてしまった。そのモチベーションは本当にこの方法に合っていたのか?

しかし不安はだんだんと「これで間違いなかった」という確信に変わっていきました。
『”ひとり出版社”という働き方』 は、読み進めるほどにさまざまなタイプのひとり出版社を営む人々が出てきて、「本にしたくなるもの」は文学だけじゃなく、写真やアート、社会のものごと、旅など多岐に渡っていました。
『あしたから出版社』 の著者である夏葉社の島田潤一郎さんは、亡くなったいとこの父母のために、一編の詩を本にしたいと出版社を立ち上げていました。
私は私の出したいと思っている本に自信がある。きっとできる。そう思えるようになってきました。

『編集者・ライターのための必修基礎知識』 『原稿編集ルールブック』 『出版営業ハンドブック〈基礎編〉』 は、読み物ではないテキスト的な本で、ことあるごとに開いて参考にしています。
今のところ出版企画書を書くために、 『編集者・ライターのための必修基礎知識』 が大いに参考になりました。

『まっ直ぐに本を売る ラディカルな出版「直取引」の方法』 『出版営業百ものがたり』このあたりが、 今私が最も課題としているところです。
ただISBNを付けただけで、自動的に本屋さんが本を置いてくれるわけではありません。

出版業界には「取次」というシステムがあり、多くの出版社は取次会社を通して本屋さんに本を置いているそうです。しかしそのシステムにもメリット・デメリットがあるそうで、取次を通さずに本屋さんと取引をすることについて書かれているのが 『まっ直ぐに本を売る』。

この本の中で、「トランスビュー」という出版社の直取引の方法が詳しく書かれているのですが、今トランスビューは出版だけでなく、他社の取引代行も行っています。つまり実質的に取次会社でもあるわけです。実際調べると、たくさんの新興の出版社や小規模出版社がトランスビューを使っています。
私も今のところ、自分で直取引はあまりにノウハウもマンパワーもなさすぎるので、トランスビュー取次が良いのでは…?とかなりのパーセントで考えています。
でもまだこの本を読み終わっていないので、今週はとりあえずこの本を最後まで読むことにします。

さて取次に頼んだとしても、実際に本屋さんが注文してくれるためには自分で営業や宣伝することも必要でしょう。その辺を、 『出版営業ハンドブック〈基礎編〉』 『出版営業百ものがたり』 で勉強したいと思っていますが、まだまだわからないことだらけです。

と、そんな中、 『返品のない月曜日 ボクの取次日記』 を(お父上が)貸してくれた友人が、インドの出版社「タラブックス」の本を日本に紹介しているKAILASの松岡宏大さんが知人だということで、紹介していただき、お会いすることができました。

人と会って話すことで、まったく違った視点が開けてくるのと、先に本を読んでたくさん調べておいてよかったということと、両方感じることができましたが、その話についてはまた次の記事で…

素材出典:pngtree

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