駐車場のような広いコンクリートの上に2匹の猫

【日記】選挙の日って…

選挙権を行使できる立場になってから、投票に行かなかったことはないし、それを苦に感じたこともない。
投票に行かない人は、なぜ行かないんだろう?どうしたら行ってくれるんだろう?と常々考えていたけれど、逆に自分は、なぜ休日や自由時間を費やしてでも躊躇いなく投票に行くのだろう?と考えてみた。

「投票に行かなくても死にはしない」とは思ってないからだ。最悪、死ぬと思っている。投票に行かなかったら。
傾いてはいけない方向に世界が傾いてしまったら、最悪、死に直結するという危機感。
けれど、同じ「危機感」によって排外主義を煽る政党が、想像を超えて多くの人に支持され始めていることも見過ごせない。
「危機感」は大切な感覚だけど、いたずらに危機感を煽ることも怖い。不正義と闘う者だけが陥るジレンマ。

排他的な「危機感」を抱く時

私は「働く若者のグループJOC(ジョック)」という労働関係の当事者運動に、以前は若者当事者として、現在は若者たちのサポートとして関わっている。

当事者運動であり、労働運動なので、社会的な労働改善を目指す上では当然、参加する当事者は増えれば増えるほど良い。常にメンバーは募っているし、新たな参加者は歓迎されるけれど、長年運動に関わる間、参加者の中から「新しい参加者が入ってくることへの抵抗」の反応が出たことが、複数回あった。

グループを自分の居場所として心地よく思うようになると、外から入ってくる新たな参加者が、自分が慣れ親しんだ心地よさを邪魔する者に思えてくるのかもしれない。
初参加者を温かく歓迎し、平等に活動への参加や発言ができるよう気を配るリーダーに対し、「新しい人ばかり優遇されて、長く参加してきた人が蔑ろにされている」と不満が出たこともあった。
参加者は皆、若者であり、まとめ役のリーダーも若者なので、未熟な諍いが起きやすい場というのもある。そういうことも一つ一つ向き合いながら成長していくからこその当事者運動だ。

しかし、今思えば、あまりにも昨今の排外主義における「日本人ファースト」や「外国人優遇反対」などの主張に似ている。
グループで抵抗感を示した若者たちも、「正しいことを言っている」と信じて疑わない様子だった。

「今いるメンバーの絆を大切にしたい」
「後から入ってきた人に、ずっと運動に貢献してきた人たちと同じ権利を与えるのは不公平だ」

これらは場所やグループの性質が違えば、通る理屈ではある。
ただ私たちの運動は、運動への貢献度を比較するようなことはしないし、集まりの中で若者なら誰でも平等に発言権があることを大切にしているので、上記の主張は的外れだった。

この運動の特徴には、人権と近いものがある。人権は社会への貢献度によって与えられるものではなく、常に平等でなければならない。
だから人権について語る時
「日本人の絆を大切にしたい」とか
「移民に同じ権利を与えるのは不公平だ」
などという言葉は排外主義であり、差別だ。

ちなみに運動に参加している中にも日本で働く外国人の若者はいて、当然ながら優遇などされているどころか大変な思いをしている人がほとんどだ。
しかし外国人の労働制度については私たちも知識が足りないところが多く、今は外国人の労働相談や生活相談を行っている専門家を招いての学習会を計画している。

そして日記

こういう記事は都議会議員選挙の前に上げられたらよかったけれど考えがまとまったのがその後だったから人間はままならない。
しかし7月20日の参議院議員選挙も控えているので、ちょっとでも何かを変える一助になればうれしい。

私は21日に隣駅まで期日前投票に行って、22日は友達と久しぶりに会い、子育て支援制度や保育園の話なんかも聞いて、選挙結果に一喜一憂し、翌日は仕事帰りにJuice=Juiceの武道館コンサートに行き、絶望と希望と現実を忘れる楽しさとの間を行ったり来たりなここ数日だった。
選挙も政治も育児もエンターテイメントも、すべて繋がっていて日常の中にある。

Juice=Juiceは最高でした。

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