作詞ラブ②

これは作詞にハマってしまい、とにかく曲に合わせて歌詞をつけることがやりたくて仕方ないので、とりあえず外国語曲にオリジナルの歌詞と意訳歌詞をつけていこうという企画です。

今回歌詞をつけた曲はこちら。

France Gall – Baby Pop

France Gall、好きなんですよね。十代のアイドルとして大人に利用され、知らぬうちに卑猥な隠喩の曲を歌わされていたことを後年知ってショックを受けたというつらいエピソードもあるアーティストですが、かわいい音楽とご本人の独特の存在感や声の魅力に、時々思い返して聴きたくなります。

原曲無視ver.

原曲の歌詞が何を歌っているのかという情報はなるべく入れずに作りました。しかし「Baby Pop」だけはタイトルだしはっきり聞こえるのでそのまま生かしました。
ちなみにIGSは「インスタグラムストーリー」の意味で使っています。
なぜかこういう現代的な事象を入れたくなる感じだなあ、と曲だけ聞いて思っていたら、原曲の歌詞も当たらずとも遠からずでした。

原曲訳詞ver.

元のフランス語歌詞の自動翻訳と、英語翻訳( https://lyricstranslate.com/ja/baby-pop-baby-pop.html )をもとに意訳しました。
けっこう社会風刺の効いたアイロニックな歌詞だったので、どうしても意訳する上で現代ナイズしたくなってこんな感じになりました。社会風刺は時代性が反映されてこそ、みたいなところあるので…

作詞作曲のセルジュ・ゲンズブールがそういう作風の人とは聞いていましたが、曲からイメージした以上に辛辣でびっくりしました。
でも原曲無視ver.とちょっと通ずるところもあるかなあ、と思いつつ、でも「男の人から見た世界」って感じだなあ、と思ったりもしつつ。

おまけのタイドラマ曲

そしてタイドラマの曲もまた意訳・リライト歌詞作りました。元の曲はこちら。

意訳歌詞

↓こちらからMVに歌詞字幕をつけたものが見られます。
https://nekocap.com/view/w8fyPtIqIV

今回は本当に元の歌詞が美しくて、作っていてすごく喜びが大きかったです。そして同時にとても難しいリライト作業にもなりました。

今まで作った意訳・リライト歌詞は、元の歌詞にあまり「情景描写」がなかったのですが、心情や状況を説明している言葉を情景描写に置き換えることで短くまとめられるという技が実はありまして…
なにしろ日本語という言語は、英語に比べてもタイ語に比べても、同じ音数の中に入れられる言葉の数がものすごく少ないのです。

たとえばこちら、『Still Together』の冒頭は
https://nekocap.com/view/xucHXpjQix
元の歌詞のいくつかの英語訳・日本語訳から、

どうして君が違うように見えるようになったかわからない
初めて会った時と違うみたい
その時は好きだと思った
いつから愛してるって思うようになったんだろう

という感じの歌詞なんですが、これを

霞むdaylight
君が違って見えた
恋に落ちた日々は
いつから愛に変わったの

と、「霞むdaylight」は余計に見えるのですが、これを入れることで、ふとした日常の瞬間に恋した人が今までと違うように見える、という情景描写がスムーズにできて、言葉数を減らすことができるんですよね。

ところが今回の『Star&Sky』の場合、元の歌詞に描写が多い。ということは、変えられない表現が多いということなんです。
たとえば「君が海」「僕は砂」とか。「北極星」とか「ヒマラヤ」とか。この辺変えちゃうと、原詞の魅力を伝えられてない感じになってしまってもったいない。

私は作詞をする時、とにかく「音をよく聞く」ことをとても大切にしているのですが、今回は、音へのハマり方がいまいちでも言葉を残すことを優先する、ということをやって作詞しました。
それくらい、元の歌詞に意訳せずそのまま残したい言葉が多かったのです。

そして今回、自分自身なぜ曲に合わせた日本語歌詞をわざわざ作りたくなるのかという理由が見えた気もしました。

音に合わせることで単純に言葉の数は減ってしまうのですが、歌えること、「訳した文章」ではなく「詩」になっていることで、元の歌詞の表そうとしていることがより伝わるような気がします。
また、楽曲そのものがどれほど魅力的かということも、この作業によって日本語話者により伝わりやすくなるように思うのです。

外国語曲を日本語で歌えるように書き直すという作業は、ミュージカルの舞台公演や、ディズニー映画の吹き替えなどで行われていますが、もしかして「日本で上演・上映できる形にする」という以上に意義深い文化活動なのではないか…と思ったりします。

素材出典:photo AC

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