BLへ愛をこめて①~スパダリからの解放編~

※このシリーズは、「BL実写ドラマが注目を集めているのは良いことだけど、それと比較してこれまでのBL漫画や小説が軽く見られるのは違くない?」という思いから、実写化に値する素晴らしいBL(とその他のジャンル)の作品を紹介していく不定期連載です。
(詳しくは BLへ愛をこめて~イントロダクション~にて)

File1
『スパダリ is DEAD』

スパダリは死んだ。すごいタイトルですね。

そも「スパダリ」とはなんぞやというと、かつてBLジャンルにおいて一時代を築いたともいわれるキャラ設定…高収入・高身長・高学歴などのハイスペックを備えた「攻(=セックスのTopポジション)」、“スーパーダーリン”のこと。

現在はBLの「攻」のキャラクターも多種多様になっていますが、かといって「スパダリ」設定が完全に廃れたわけではありません。
「受(=セックスのBottomポジション)」のキャラクターに惚れ込むのが、誰もが憧れるエリートでイケメン、さらに愛のためならどんなこともできるくらいお金持ちであってほしい、という要求は、今もさまざまなBL作品に見られます。
たとえばドラマ化で話題になったチェリまほ(30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい)も、「攻」の黒沢の設定はかなり”スパダリ”に近いものがありました。

恋愛ストーリーの主人公や相手役が憧れの存在であってほしいと思うのは、けして悪いことではありません。
でも、「憧れの存在」であるために、金や地位や名誉って、そんなに大切なこと?…という疑問も呈されるようになったのは、いかにも現代的なBLの流れではないかと思います。

「スパダリ」設定を逆手取ったBL作品も近年は多く見られるようになりましたが、この作品はその中でも突出したメッセージ性があります。
「スパダリ」的な価値を失ったとしても、人は生きていかなきゃならないし、生きるために足掻く人の姿は美しい。
しかし重い作風ではなく、笑いあり感動ありの、楽しく読めるラブコメです。

あらすじ

都坂洋介41歳。一流企業に勤め、理想の美女との結婚も決まり、順風満帆の人生かと思いきや、シェアハウスの投資に失敗して一気に転落人生に!
金、仕事、結婚相手、住居とすべてを失った洋介が頼ったのは、偶然出会ったシェアハウスオーナーの若者、桑島太雄(たお)。「自分とカップルのふりをするなら”同性カップル専用のシェアハウス”に住まわせてあげる」という太雄の提案に、洋介は乗ることにした……

実写化してほしいポイント

・利害関係から始まるBLですが、本作の魅力は危うい駆け引きよりも、むしろほのぼのとしたシェアハウス生活。太雄の妹の姫英(きえ)とそのパートナー雛子というかわいいレズビアンカップルも加わって、「スパダリ」の転落を描いているはずなのに、全編に優しい空気が漂っています。
セクシャルマイノリティに関して無知で失言連発の洋介が、価値観をアップデートしていく様子も、険悪になりすぎず、日常の延長の中で描かれます。

出典:『スパダリ is DEAD』50p

・そして前述のとおり、レズビアンカップルが主要登場人物になっているのも大きなポイントです!
まだまだレズビアンの映像作品への登場は、ゲイに比べてもかなり少ない状況。女性同性愛者がここまでしっかり個性的で魅力的なキャラクターとして描かれた作品は、ぜひ実写で見たい。

出典:『スパダリ is DEAD』108p

・さらに、漫画や小説では中年BLも珍しくなくなりましたが、まだまだ世界のBLドラマ界においては学園ものが主流。41歳という主人公の年齢設定は、革新的なものとなるのではないでしょうか。

・そして何よりこの作品のテーマは、「スパダリ」の呪いからの解放。蒸発した父親の代わりに家族を支えようとしていた太雄も、若い世代なりの形で、「スパダリ」の呪いに囚われていた一人かもしれません。そんな太雄が、ドン底になってもみっともなくても這い上がろうとする洋介の姿に救われ、恋に落ちる。

出典:『スパダリ is DEAD』30p

2人の男がその出会いによって、お互いに「スパダリ」の呪いから解き放たれるラブストーリーとは、なんともロマンチックかつエポックメイキングではありませんか。

実写化にあたって修正してほしいポイント

しかし、

・内心は合意していたとはいえ、ちゃんと言葉で確認し合っていないのに寝ている相手にキスしてしまうシーンはアウト。実写化するなら、目覚めてから見つめ合ってたらなんとなくそういう雰囲気になってキス(ドラマあるあるのありえないやつ)、みたいな感じの方がよりロマンチックだし良いんじゃないかな。

・洋介の「スパダリ」転落の一因となる元カノの名前が「軽井美波(かるいみなみ)」で寝取る男が「音取満寿男(ねとりますお)」。漫画ならまだギャグとして見られるかもしれないけれど、実際に俳優が演じる人物がここまで形骸化されていると、ちょっと辟易するんですよね。この2人はむしろ登場させない方がいいかも。

・洋介とは逆に、金や地位を手に入れて太雄から離れていった元カレ郁人というキャラクターが、あまりにも単純に「嫌なやつ」として描かれているところは気になる点。上記の2人もそうですが、洋介以外の「金や地位にこだわる人物」を、くだらない人物として切り捨てすぎている面は否めません。
「スパダリ」的価値観を打破する意図が込められている作品なのでそうならざるを得なかったのかもしれませんが、ドラマで俳優が演じるなら、もっと郁人もコミカルで魅力的に映るでしょうし、最後には彼にも救いがあってほしいですね。

・細かいところですが雛子の職業が「OLさん」と紹介されるのは時代錯誤。ちゃんと「~会社勤務」とか、雛子ちゃんの職業設定を作ってほしいです。

キャスティング会議

はい、ここからは完全に個人的な願望です。基本的にタイの俳優しかわからないのでタイでの実写化として考えます(そのうちフィリピンも入ってくるかも)

都坂洋介役・Tay Tawan

ステータスにこだわるいけ好かない男かと思いきや、突拍子もない行動力や天然ボケがどんどん可愛く見えてくる洋介。いじられ愛されキャラの”災害男”Tayさんなら確実に体現できるでしょう!
実年齢は今年の誕生日で30歳になるので、41歳よりずっと若いTayさんですが、彼って役によって10代にも40代にも見えるような雰囲気があるので、大丈夫じゃないかな~。

桑島太雄役・New Thitipoom

やると思ったでしょ (主にタイドラマファンの皆さんに向けて) 。そうです、TayNewにNewTayをやってほしいのです。
だって太雄のビジュアルはかなりNewくんに似ているし、飄々としたキャラクターや表情もNewくんそのものなんですよ…。

TayNewとかNewTayとか何を言っているのかというと、この2人は、『Dark Blue Kiss』というドラマですでにカップル役として共演している、タイBL界ではレジェンド級のイマジナリーカップル。さらに、同ドラマではTayくんがお金持ちで俺様な「攻」役、Newくんが健気な苦学生の「受」役でした。
そんな2人が、お金持ちで俺様だったけれど転落した「受」役、苦労人だけれど安定感のある年下「攻」役に成り代わるのは、『スパダリ is DEAD』という主題にもぴったりなんじゃないでしょうか。

逆カプは受けつけないという人もいるかもしれませんが、Tayくんは『3 will be free』というドラマでも圧倒的にUKEUKEしいゲイの青年役を好演していたし、ふだんのTayくんもどちらかというとUKEっぽく見られている可愛い人なので、そんなに抵抗はない気がします…

※当サイトでは、実際のセックスポジションを指す場合は「受」・「攻」表記、キャラクターイメージとして語る場合はUKE・SEME表記と書き分けています。厳密には分けられない部分もありますが、セクシャリティとキャラクターイメージを関連付けることの危うさと、しかしそれ抜きには語れない社会背景があることなどから、この表記分けを選びました。

こちらは2人が出演しているCMの動画↓

そして脇キャラなんですが、こっちの方がキャスティング難航しております。

妹、姫英ちゃん役としてまず頭に浮かんだのは、こちら、強気な女の子を演じたら天下一のMild Lapassalanちゃん。

まず顔が似てる!TayNewとも共演が多く仲良しです。

姫英の恋人、雛子役にはPuimek Napasornちゃんはどうかなと…

おっとりした大人しい子かと思いきや、裏で一番力を持ってそうな雛子ちゃん役にぴったりでは。

しかし…イメージは合うのだけれど、これでいいのだろうかと…。この2人ってイメージ通りの役やらされすぎじゃないか…?何かもう一歩、新しいケミストリーがほしくないか…?

と思って考えた別パターンです。

桑島姫英役・Film Rachanun

綿引雛子役・Love Pattranite

この2人はドラマ『2gehter』での共演時に2ショットを投稿したり、SNSでメンションし合ったりと、実際に仲良し。すでに一定数のLoveFilmシッパーがいます。
FilmちゃんもLoveちゃんも、今までにありそうでなかった役だし、BLドラマで当て馬ポジションになりがちな若い女性の俳優さんたちにこそ、重要なレズビアン役を演じてもらいたい!
どちらの配役が良いかは皆さんそれぞれのお好みにお任せします…

他にも、桑島きょうだいの幼馴染み玄蔵役には、気の良い友達役ワイルド部門代表Foei Pataraさん、元カレ郁人役は、チャラくもコミカルに可愛く演じてほしいので、First Kanaphanくんとか…
わー、豪華キャストなドラマだなあ!(私の脳内ですが)
なんか本当に実現してほしくなってきてしまいました…タイGMMTV関係者さんー!

(次回へ続く)

※今回はGMMキャスティングになりましたが、他の事務所にも好きな俳優さんはいるので、今後他社キャスティングや混合キャスティングになることもあると思います!事務所を統一したのは実現しそうなリアリティが出て楽しいというだけの理由です(笑)

素材出典(アイキャッチ): photoAC
引用画像出典:『スパダリ is DEAD』さがの著・徳間書店・2019年発行

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